千葉で『個人再生』をお考えの方はご相談ください

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千葉で『個人再生』をお考えの方は【弁護士法人心】まで

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2021年3月9日

1 個人再生による借金圧縮

転職や病気など、さまざまなご事情により、お金を借り入れる際に考えていたとおりの返済をすることが難しくなることがあります。

無理にお金を返していくことにより、生活がままならなくなってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような場合には、個人再生をお考えください。

個人再生とは裁判所に申し立てて行うもので、認められることにより、一般的には返済額が圧縮され、長期での分割払いが可能となります。

これにより、無理なくお金を返し、生活を立て直すことができる可能性があります。

2 個人再生の効果や流れを弁護士がご説明

そうはいっても、この説明だけでは、具体的にどれくらい圧縮されるのか、本当に無理なく返せるのかはわからないかと思います。

また、個人再生を行うことでご自身の生活にどのような影響が出るか、ご不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。

個人再生の効果や影響は、一人ひとりのご事情によって異なります。

そのため、まずは弁護士にご相談ください。

当法人にご相談いただければ、弁護士が、お伺いしたご事情をもとに個人再生のことを丁寧にご説明いたします。

ご質問にもお答えをさせていただきますので、疑問を解消し、具体的にイメージをしたうえでご依頼いただけるかと思います。

3 千葉で個人再生をお考えの方はご相談ください

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千葉駅から徒歩でお越しいただける立地にありますので、お気軽にご利用いただくことができます。

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個人再生に向いている人、向いていない人

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年4月6日

1 個人再生に向いているかどうか

個人再生は、裁判所で行われる債務整理の手続きです。

法律の規定に従って減額された負債を原則3年間、最長5年間で返済すれば、残りの負債は免除されることになります。

ここでは、個人再生の手続きではどのようなポイントがチェックされるのかについて、またどのような人が個人再生に向いていて、どのような人は向いていないのかについて説明します。

2 個人再生手続きのポイント

個人再生の手続きでは、法律の規定にしたがって減額された負債を所定の期間で分割返済できるかどうかを裁判所(および個人再生委員)が厳しくチェックすることになります。

チェックのポイントは、①返済するのに十分な収入があるかどうか、という点と、②返済するのに十分な収入が返済期間中継続する見込みがあるのかどうか、という点です。

なお、返済期間中に支出が増大し返済が厳しくなる見込みがないのかどうか、という点も②に含まれます。

3 個人再生に向いている人・向いていない人の例

①のチェックポイントについては、債務者ご本人に返済に十分な収入がなくても、配偶者も働いていて安定した収入がある場合は、その収入も含めて判断されますので、そのような場合は個人再生に向いていると言えます。

他方、債務者ご本人に十分な収入がなく、確実な援助を期待できる親族もいない場合は、個人再生には向いていないということになります。

②のチェックポイントについては、正社員として勤務し、給料も安定していて、今後数年のうちに子供が大学に進学するなど支出の増大が見込まれることがない場合(または支出が増大しても返済に余裕がある場合)は、個人再生に向いていると言えます。

逆に、正社員として勤務している場合でも、例えば1年後に役職定年を迎え、それ以降は給料が大幅に減る場合は、個人再生には向かないということになります。

正社員であるものの歩合の部分が大きく、給料額の変動が激しい場合も同様です。

4 個人再生の際には必ず専門家に相談を

以上、向いているケース、向いていないケースの一例を紹介しましたが、向いているかどうかは厳密には専門的な知見から判断する必要があります。

ご自身のみの判断で向き不向きを決めることはせず、必ず弁護士に相談してください。

個人再生を利用できる条件

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年4月4日

1 個人再生を利用できる人とは

個人再生手続は、個人の債務者のみ利用できます。

一般的には、小規模な個人事業者、および給与所得者(サラリーマン)が利用できる手続きです。

そのため、株式会社、有限会社などの法人を経営している場合は、利用することができません。

2 債務の総額が5000万円以下であること

個人再生は、債務の総額が5000万円以下の場合のみ利用できます。

この債務の総額には、元本(元金)だけではなく、利息や遅延損害金も含まれます。

元本が大きいと、利息や遅延損害金の増加も大きいので注意が必要です。

また、住宅資金貸付債権の金額や、別除権付き債権について別除権行使によって弁済を受けることが見込まれる金額は、債務の総額に含まれません。

申立て時点では債務総額が5000万円以下であっても、再生計画認可時に5000万円を超えてしまった場合は、再生計画が認可されません。

債務の総額が5000万円を超えてしまっている場合、通常の民事再生手続きの

利用を検討することになります。

もっとも、通常の民事再生は予納金が非常に多額であるなど、利用条件が厳しいため、現実的にはあまり行われません。

3 返済の見込みがあること

個人再生は、債務の総額を大幅に減額したうえで、再生計画に従って、3~5年に渡り分割返済をする手続きです。

そのため、将来的に返済可能であるといえなければなりません。

申立て時点においては、将来的に継続的または反復して収入を得る見込みがある必要があります。

サラリーマンの場合、定年間近であるなど特殊な事情がない場合は、一般的にはこの要件を満たします。

個人事業者であっても、収入が安定していれば問題ないとされます。

もっとも、再生計画認可時において、再生計画が遂行される見込みがない場合、再生計画は認可されません。

申立て時点では安定した収入があり、返済想定額の支払原資を手配できていたとしても、何らかの事情で収入が減り、支払原資を手配できなくなってしまうと、個人再生はできないことになります。

このような場合、自己破産に切り替えるなどの措置が必要です。

個人再生を依頼する専門家の選び方

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年3月31日

1 各専門家が個人再生でできること

個人再生手続きについて専門家として関与しているのは、弁護士と司法書士になります。

ただし、弁護士は個人再生手続きの代理人として関与することができますが、認定司法書士は個人再生手続きについて代理権を有しませんので、申立書等の書類作成を代行するだけとなります。

司法書士は書類作成を代行するだけですが、書類の送達場所には当該司法書士の事務所を指定するのが通常ですので、裁判所からの連絡や書類等は司法書士事務所に届くことになります。

また、再生委員の面接についても、多くの司法書士は債務者に同行しています。

そのため、法律上はともかく事実上は、司法書士に書類作成の代行を依頼した場合でも、弁護士に依頼した場合とあまり変わらないサービスを受けることができます。

ただし、千葉地方裁判所およびその支部では、弁護士が代理人として就いていない場合は、必ず個人再生委員が選任されることになりますので、個人再生委員の費用を準備しなければなりません(弁護士が代理人として就いている場合は、原則として個人再生委員は選任されません)。

2 弁護士の選び方

本稿の執筆者は弁護士ですので、個人再生について弁護士に依頼する場合の弁護士の選び方について有益な情報を提供したいと思います。

まず、個人の方の主要な債務整理の手続きとしては、個人再生のほか、自己破産および任意整理がありますが、自己破産や任意整理と比較し個人再生は件数が少ないですので、経験した案件数が少ない弁護士も多いようです。

そのため、本稿の執筆者が相談を受けた案件の中には、受任している弁護士が3~4年程度申立てをしていなかった案件や、小規模個人再生の書面決議で否決された案件などもあります。

いずれも、個人再生についての受任弁護士の経験不足によるものと思われます。

そこで、弁護士を選ぶ際は、個人再生についてある程度経験のある弁護士を探すことが重要になります。

3 弁護士の探し方

個人再生についてある程度経験のある弁護士の探し方ですが、まずはその弁護士が所属する法律事務所のウェブサイトを確認するとよいでしょう。

個人再生をある程度扱っている法律事務所の場合、個人再生についてのページも充実していることが多いです。

また、相談の際、相談担当弁護士に対し、単刀直入に、経験した案件数や、個人再生委員として選任された実績を聞いてみるのもよいと思います。遠慮はもちろん不要です。

個人再生をした場合に債務額はどうなるか

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年3月28日

1 はじめに

個人再生手続きの主なメリットは、法律の規定に従って減額された債務を再生計画案に従って返済し完済すれば、残りの部分について免責されるという点にあります。

自己破産と異なり、免責不許可事由というものがありませんので、ギャンブルや浪費といった事情があって自己破産できるか不安だという方でも、安心して利用することができます。

本稿では、個人再生を行った場合に債務額がどうなるのかについてご説明します。

2 小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生で最低限返済しなければならない金額を決める基準として、①負債総額を基準として決まる金額、②清算価値を基準として決まる金額、③可処分所得の2年分の金額、の3つがあります。

これらの基準によって決まる金額のうち、最も多額のものが最低弁済額となります。

このうち、③は給与所得者等再生のみに適用される基準です。

つまり、給与所得者再生の方が適用される基準が多いということになります(一般的に、③の基準による金額が最も大きくなる傾向があります)。

しかし、小規模個人再生と異なり再生計画案について書面決議の制度がありませんので、債権者に反対されて再生手続きが終了してしまうことはありません。

3 負債総額を基準として決まる金額

左側が負債総額、右側が最低弁済額になります。

例えば、負債総額が300万円の場合は100万円、負債総額が700万円の場合は140万円になります。

4 清算価値を基準として決まる金額

例えば現金30万円、預金80万円、退職金見込額の8分の1が200万円、保険の解約返戻金が150万円ある場合、千葉地方裁判所では、99万円までの現金以外は清算価値に計上されますので、430万円が最低弁済額になります。

5 可処分所得の2年分の金額で決まる基準

可処分所得は、給料や税金等の金額、家族関係、居住場所等のファクターを考慮して計算することになりますが、一般的に、金額は最も高額になる傾向があります。

とくに、一人暮らしで扶養家族がいない場合は、かなり高額になります。

そのため、書面決議で否決される可能性が低い案件は、小規模個人再生で進めることになります。

個人再生の住宅資金特別条項による返済ができなくなった場合

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年2月18日

1 個人再生の住宅資金特別条項

個人再生では、住宅資金特別条項を利用することにより、自宅の住宅ローンはそのまま返済を継続しながら、その他の負債について整理することが可能になります。

住宅ローンの返済は継続しますので、自宅を維持することができます。

例えば、M銀行から借り入れた住宅ローンが3500万円残っており、それ以外に消費者金融やクレジットカードの負債が800万円あるとします。

小規模個人再生手続の住宅資金特別条項を利用することで、住宅ローンは原則としてそのまま返済を継続しますが、それ以外の負債については、5分の1の金額である160万円に圧縮された金額を、原則3年、最長5年で返済すれば、残余は免責されることになります。

この場合、再生債務者の財産が160万円を超えるときは、返済金額はその財産額になります。

2 住宅ローンの返済ができなくなった場合

住宅資金特別条項を利用した個人再生手続では、多くの場合、住宅資金特別条項に住宅ローンは住宅ローンの契約どおりに返済する旨が記載されます。

では、再生計画に基づく返済中に住宅ローンの返済をストップし、任意売却等を行ってその代金を住宅ローンの返済に充てた場合、残余の住宅ローンについて、その他の負債と同じような圧縮の効果は発生するでしょうか。

例えば、1の事例で、自宅を2500万円で任意売却し、800万円の住宅ローンが残った場合、800万円の5分の1の金額である160万円を返済すればよいことになるのでしょうか。

この点については、住宅資金特別条項を利用した場合は、仮にその後自宅を売却したとしても、住宅ローンの残額に債務減額の効果は及ばないと考えられています。

3 住宅ローンについて個人再生を行うことは可能

なお、住宅ローンの返済が困難となり、自宅の任意売却等を行った後に残った住宅ローンについて個人再生を行うことは可能です。

ただし、住宅資金特別条項を利用しない場合は、住宅ローンも含めた負債の残額が5000万円を超える場合は個人再生手続を利用できません。

個人再生の最も大きいメリットは、住宅資金特別条項を利用することによる自宅の維持ですので、自宅を既に手放している場合は、自己破産に支障がない限り、経済的更生および生活再建の観点から自己破産を選択した方がよい場合が多いでしょう。

個人再生の見えないリスク

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年2月10日

1 はじめに

個人再生の手続きを行う一番のメリットは、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することで、住宅ローンの返済を継続しながらそれ以外の負債の整理をすることができることです。

住宅ローンの返済を継続することができますので、自宅を手放す必要がありません。

本稿の執筆者が担当した個人再生の案件も、感覚的に8割程度が住宅資金特別条項を利用するケースです。

そして、住宅資金特別条項を利用して個人再生を行った方のほぼ全員に家族がいらっしゃいました。

これは、独身の方が住宅ローンを利用して自宅を購入することはほとんどないためだと思われます。

個人再生は、法律の規定に従って減額された負債を、3年から5年の期間で返済する債務整理の手続きです。

住宅資金特別条項を利用する方の場合は、3年での返済は困難なことも多いですので、返済期間を5年とするケースが多くなっています。

このように、個人再生の手続きは、自己破産手続と異なり長丁場になりますので、再生計画に基づいて返済している途中に、申立て時には予期していなかったことが起こることもありえます。

ここでは、個人再生の手続きを利用する場合の見えないリスク(手続きを行う際には意識していないリスク)についてご説明します。

2 離婚するリスク

住宅資金特別条項を利用する方の場合、配偶者のほかに子供もいることが多いですので、購入している住宅は3LDK程度であることが通常です。

例えば、夫が住宅ローン債務者で個人再生の手続きを行ったケースで、再生計画が認可されて返済をしている途中で離婚することになり、妻子が家から出ていった場合、3LDKの自宅は広すぎますので住み替えを検討することになります。

このとき、任意売却が上手くいかなかった場合には、多額の住宅ローンが残ってしまい、自己破産せざるを得ないことがあります。

その場合、個人再生の手続きを行うために支払った弁護士費用や個人再生委員費用(個人再生委員が選任された場合)が無駄になってしまいます(金額は任意整理よりも割高です)。

3 子供が実家に戻ってくるリスク

子供が就職や結婚などで親元を離れている方が個人再生を行うケースでは、その子供が実家に戻ってきてしまうというリスクも考えられます。

例えば、息子が勤務先を退職して無職になった場合や、子供がいる専業主婦の娘が離婚した場合です。

いずれの場合でも、親に生活費を頼るために実家へ戻ることが多いため、生活費の負担が重くなり返済が困難になることがあります。

以上は、いずれも個人再生の申立てをする時点ではほとんど認識していないリスクです。

申立てをする時点では、このようなリスクについて検討する必要はありませんが、個人再生にはこういったリスクがあるということ、また実際にリスクが現実化したケースがあるということは、頭の片隅に置いておいてもよいと思います。

個人再生と強制執行

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年1月31日

1 はじめに

個人再生手続を利用する最大のメリットは、住宅ローンの支払いを継続しながらその他の債務を整理できるという点です。

任意整理でもこの目的を達することは可能ですが、住宅ローン以外の債務の元金について減額の効果を受けられるのは個人再生のみです(任意整理では、元金の減額はまずできません)。

住宅ローン特則を利用する個人再生を弁護士に依頼した場合、住宅ローンの返済は継続しながら、その他の債務については返済をストップすることになります。

2 強制執行と否認権

債務者が偏頗弁済(特定の債権者に対し弁済することです)を行った場合、破産手続では、破産管財人は偏頗弁済について否認権を行使し、弁済を受けた債権者に対し返済を受けた金額の返還を請求することができます。

これは、債権者が強制執行によって返済を受けた場合も同様です。

そのため、否認権について理解している債権者は、弁護士が自己破産の受任通知を送付した後に強制執行を行うことはあまりありません。

しかし、個人再生の場合は、否認権を行使されることはありませんので、裁判を起こされ、強制執行を受けることがあります。

とくに、特定の消費者金融会社は、弁護士が自己破産の受任通知を送付した場合は何らのアクションも起こしませんが、個人再生の場合は弁護士受任後3か月程度で訴訟を起こし、判決を取ると強制執行を行ってきます。

3 強制執行の対象

この強制執行の対象となるのは給料がほとんどです。

個人再生の場合、債務者の方は安定した仕事に就いていることがほとんどで、消費者金融会社に借り入れの申込みを行った際にその勤務先を申込書に記載していることが多いですので、消費者金融会社は当該債務者の勤務先を把握しているということになります。

4 給料差し押さえの問題点

給料を差し押さえられると、給料額から税金や健康保険料などを引いた手取り額の4分の1の金額が差押債権者への返済に充てられることになります(ただし、手取りの4分の3の金額が33万円を超える場合には、超える分の全額が差押の対象となります)。

となると、住宅ローンの返済継続も困難となり、個人再生の遂行が困難になる可能性があります。

消費者金融会社は、訴訟を起こしたとしても、個人再生の申立てを行えば訴訟を取り下げますので、消費者金融会社が債権者に含まれている場合は、すみやかに弁護士費用を準備し、申立てを行うことが重要となります。

給与所得者等再生のご相談

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年1月21日

1 小規模個人再生との違い

個人再生手続には、小規模個人再生と給与所得者等再生があります。

しかし、実務上は、個人再生事件の多くは小規模個人再生手続で、給与所得者等再生はあまり使われていません。

小規模個人再生と給与所得者再生の違いで、重要なのは次の2点です。

①まず、小規模個人再生では再生債権者による書面決議がありますが、給与所得者等再生では書面決議制度はありません。

②次に、最低弁済額について、給与所得者等再生では、可処分所得の2年分という基準が加わります。

給与所得者等再生が使われない理由は②です。

例えば、再生債権額が600万円、再生債務者の財産が70万円の場合、小規模個人再生では600万円の5分の1の金額である120万円を返済することになります。

しかし、給与所得者等再生で使われる可処分所得の2年分の基準では、再生債務者の家族数(被扶養者数)にもよりますが、この120万円を遙かに上回る金額になることが多いです。

2 給与所得者等再生を使うケース

となりますと、あえて給与所得者等再生を利用するケースは、①のメリットを享受できることが理由となります。

例えば、公的な機関が再生債権者の場合、小規模個人再生では書面決議で異議を提出するケースが多く、また、一部の民間業者も異議を提出するケースが多いと言われています。

つまり、書面決議で否決される見込みがあり、かつ自己破産や任意整理では解決が困難な場合に給与所得者等再生が使われることになります。

例えば、負債が多いため負債の減額が困難な任意整理では返済は難しく、他方、保持したい財産があるため自己破産も回避したいというケースです。

3 給与所得者等再生のご相談

給与所得者等再生も含めた相談を検討されている方は、以下の点を準備しておくとよいでしょう。

まず、債権者と債権額について漏れがないようにチェックしておくことが重要です。

例えば、クレジットカード会社の某社は、小規模個人再生で、自社のみで書面決議を否決することができる場合、異議を提出する可能性が高いと言われています。

この某社は、系列会社である某銀行のカードローンについて保証もしていますので、このカードローンの負債も某社に対する負債としてカウントする必要があります。

次に、給与所得者等再生で最低弁済額の基準となる可処分所得の2分の1を算出するために、直近2年分の課税証明書、配偶者が働いている場合は配偶者の直近の源泉徴収票、賃貸借契約書を用意しておくとよいでしょう。

個人再生の手続きの期間

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年1月17日

1 弁護士費用等の準備期間

本稿では、弁護士に依頼して個人再生手続を進める場合にかかる期間についてご説明いたします。

なお、裁判所の手続きについては、千葉地方裁判所を前提とした説明になっています。

まず、個人再生を行うためには、弁護士報酬(着手金等)、実費および申立の際に必要となる費用(予納金等)をあらかじめ準備していただく必要があります。

この費用を一括ですぐに準備できる場合は、弁護士費用等の準備期間はほぼゼロとしてカウントできますが、一括での準備が難しく分割になる場合は、まず費用を分割で積み立てる期間が必要になります。

なお、費用の分割払いの期間は、ケースバイケースになりますが、弁護士法人心では最長でも原則として1年程度を目安とさせていただいております。

ただし、例えば住宅資金特別条項を利用する手続きで、住宅ローンについて保証会社が代位弁済を行ってしまった場合等、速やかに個人再生の申立てを行わなければならない案件の場合は、一括または短期での費用準備をお願いしています。

2 個人再生申立てまでの準備期間

⑴ 費用を一括で準備できる場合は、すぐに申立ての準備に入ります。

この場合の申立の準備期間は、依頼者の方の状況も考慮し1~2か月程度に設定しますが、給料を差し押さえられている等、できるだけ速やかに破産申立てを行う必要がある場合は、すぐに準備して申立てを行います。

⑵ 費用を分割で積み立てている場合は、積み立て完了と同時に申立てができるように準備をしますので、費用の積立期間と破産申立ての準備期間は重なります。

ただ、費用の積立が不安定になり積み立て完了時期が読めなくなった場合、積み立て完了後も申立の準備が続くことがあります。

3 個人再生申立後、開始決定まで

⑴ 個人再生委員が選任されないケース

千葉地方裁判所の場合、弁護士が代理人として個人再生申立てを行う場合は、原則として個人再生委員は選任されません。

そのため、裁判所から申立書等について補正等の指示がある場合は、その指示に従い書面の提出等を行えば、開始決定が出されることになります。

申立から開始決定までの期間は、補正等の指示があるかどうか、指示がある場合にそれに対応するのにどれほどの期間が必要なのかにもよりますが、千葉地方裁判所本庁の場合、通常は3週間程度で開始決定が出されます。

⑵ 個人再生委員が選任されるケース

個人再生委員が選任されるケースでは、裁判所による補正等の指示への対応のほか、開始決定前に個人再生委員の面接を受ける必要もあります。

そのため、個人再生委員が選任されないケースよりも、通常、開始決定まで10日から2週間程度多くかかります。

4 開始決定後、再生計画案の認可まで

千葉地方裁判所の場合、裁判所が作成する個人再生手続進行予定表では、開始決定から再生計画認可決定まで4か月程度を想定しています。

ただ、届出のあった再生債権について異議の申述のない通常の事案で、再生計画案を早めに提出すれば、開始決定から再生計画認可決定までの期間は3か月程度になります。

5 再生計画認可決定後

再生計画が認可されると、裁判所は、その内容を官報で公告します。官報に掲載されてから2週間が経過すると、再生計画認可決定が確定します。

千葉地方裁判所の場合、再生計画認可決定から決定が確定するまで、通常1か月程度かかります。

裁判所での個人再生の手続きは以上で終了ですが、再生計画案に従った返済がこの後から開始することになります。

返済期間は原則3年で、特別な事情があれば最長5年までの延長が認められます(返済期間は再生計画案で定められます)。

個人再生をする場合の流れ

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年1月13日

1 法律相談から委任契約まで

個人再生をする場合、まずは法律相談から始まります。

相談を受けた弁護士は、相談者の方のお話を聞き、また持参いただいた資料を確認して、個人再生を行うにあたって法律上の問題がないかどうか、また債務整理の手段として個人再生がベストなのかどうかを判断します。

個人再生を選択することに決めたら、費用の金額および支払方法について協議し、合意に至ったら委任契約締結となります。

2 費用の準備から申立まで

⑴ 費用のお支払いは、一括または分割があります。

一括支払いの場合は、直ちに申立の準備に入ることになりますが、分割の場合は、しばらくは費用の積立が必要になり(この間、委任を受けた弁護士は債権者への受任通知の送付と債権調査を行います)、積み立て完了が近くなったら申立の準備に入ります。

⑵ 申立の準備について、個人再生の場合、弁護士に依頼すれば任せきりでОKということはなく、必要な資料の収集や家計表等の作成を行っていただきます。

この、資料の収集や家計表等の作成が遅れると、個人再生の申立ても遅れ、遅延損害金の増加等、不利益が生じる場合もあります。

3 申立後、開始決定まで

申立書や資料が揃ったら、裁判所に個人再生の申立てを行います。

申立書の内容や資料に不備や不足があった場合は、裁判所から追完を指示されますので、裁判所が定めた期限までに提出します。

提出した書類等に不備や不明点があれば、さらに裁判所から追完を指示され、対応することになります。

また、個人再生委員が選任される場合は、個人再生委員の面接を受けます。

裁判所から指示の合った書類等を提出し(また個人再生委員が選任されたケースでは個人再生委員の面接を受け)、問題がなければ、開始決定となります。

なお、いわゆる「履行テスト」(個人再生を行って返済できるかどうかをテストするものです)は申立時から開始します。

4 開始決定後から再生計画認可決定まで

千葉地方裁判所では、開始決定と同時に、①債権届出期限、②報告書の提出期限、③一般異議申述期間、④評価申立期限、⑤再生計画案提出期限および⑥書面決議に関する個人再生委員の意見書提出期限(個人再生委員が選任されている場合)が定められます。

手続きはこの順番で進みます。

この間、依頼者の方に主に行っていただくことは、仕事や財産関係に変動があった場合(報告書で資料を添付して報告する必要があります)や、清算価値が最低弁済額になる場合(通帳等の資料が必要になります)を除き、履行テストのみとなります(ただし、個人再生委員が選任されたケースで、個人再生委員から家計表の作成等、指示された事項がある場合は、それも行う必要があります)。

それ以外の事項(再生計画案の作成等)は、弁護士が対応することになります。

5 再生計画認可決定後、返済開始まで

再生計画が認可され、その認可決定が確定したら、各再生債権者に返済先の口座を照会します。

そして、再生計画案で決められた金額を、決められた期限(3か月に1回の返済にすることが多いです)までに返済することになります。

住宅資金特別条項を検討する際の注意点

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年1月6日

1 個人再生のメリット

個人再生手続を利用すると、住宅ローンの支払いを継続しながらそれ以外の負債を整理することが可能です。

任意整理の場合と異なり、住宅ローン以外の負債は、法律の規定に従い減額されることになります。

この場合に再生計画案に規定する内容を住宅資金特別条項と言いますが、この住宅資金特別条項を利用するためにはいくつかの条件があります。

ここでは、これまでの法律相談で実際にあったケースをご紹介します。

なお、住宅資金特別条項を利用できるかどうかは、最終的にはケースバイケースで判断する必要があります。

以下述べるケースに当てはまったとしても、ご自身で判断せず、必ず弁護士に相談してください。

2 住宅ローン以外の負債について抵当権が設定されていたケース

自宅に住宅ローンを担保するための抵当権のほか、数百万円のフリーローンを担保するための抵当権が設定されていたケースがあります。

このような場合、住宅ローンの返済を継続したとしても、フリーローンについて抵当権が実行されれば自宅を失いますので、住宅資金特別条項を利用するメリットがなく、原則として利用できません。

ただし、親族等の援助を得て当該フリーローンを完済し、抵当権を抹消すれば、住宅資金特別条項の利用が可能になります(ただし、偏頗弁済による清算価値への加算の問題が生じますので、弁護士に相談して慎重に進める必要があります)。

3 投資物件のためのローンだったケース

住宅資金特別条項は、住居(自宅)をできるだけ維持できるようにする目的で民事再生法に規定されたものです。

そのため、投資目的で購入した不動産(賃貸用物件等)についての不動産ローンについては、住宅資金特別条項は利用できません。

また、購入当初は自宅として利用していたものの、その後転居し自宅として利用しなくなった場合も、住宅資金特別条項は原則として使えません。

逆に、当初は投資用物件(賃貸用物件)として購入したものの、その後自宅として利用していた場合は、住宅資金特別条項を利用することが可能です。

つまり、個人再生手続が必要になったときに、住宅ローンの対象となる不動産を自宅として利用しているかどうかがポイントになります。

住宅ローンについての注意点

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2021年9月16日

1 はじめに

個人再生手続では、住宅資金特別条項を利用し、住宅ローンの返済を継続しながらその他の負債を整理することが可能です。

ただし、住宅資金特別条項を利用するためにはいくつかの条件があり、そのうちの一つとして、住宅ローンは住宅購入資金として借りたものでなければならない(これを住宅資金貸付債権といいます)、というものがあります。

ここではこの条件について、問題となるケースをご説明します。

2 住宅ローンの一部を既存債務の返済に充てているケース

住宅ローンは、消費者金融会社やクレジットカード会社の負債がある状態では、通常は審査が通らず、借り入れは困難です。

そこで、不動産業者等がその負債を立て替えて返済し、その返済した分を不動産の売買価格に上乗せして住宅ローンを申請し、その住宅ローンから消費者金融等に返済した金額を当該不動産業者等が受領する、ということが行われています。

この場合、住宅ローンの一部が住宅購入資金ではなく別の債務の返済に充てられていますので、住宅ローン全体として住宅資金貸付債権に当るかどうかが問題となります。

3 買い換えの場合

例えば住宅ローンを利用してマンションを購入したものの、家族が増え手狭になったため、戸建てに買い換えるというようなことはよく行われています。

この場合、マンションが住宅ローンの残額以上の価格で売れた場合は問題ないですが、住宅ローンの残額を下回った場合は、戸建ての購入のために借り入れた住宅ローンの一部がマンションの住宅ローンの返済に充てられることがあります。

この場合も、戸建てのために借り入れた住宅ローンが全体として住宅資金貸付債権に当るかどうかが問題となります。

4 借り換えの場合

A銀行で住宅ローンを借りて自宅を購入した後、利率の低いB銀行の住宅ローンに借り換えることがあります。

この場合、借り換えた住宅ローンの一部が例えば保証料等に充てられることがあり、そうなると、借り換え後の住宅ローンが全体として住宅資金貸付債権に当るかどうかが問題となります。

このように、住宅ローンが住宅資金貸付債権に当るかどうかが問題となるケースがありますので、個人再生のご相談の際は、住宅ローンの契約書を準備しておくとよいでしょう。

清算価値を算出するための資料(自動車編)

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2021年7月27日

1 はじめに

個人再生では、再生計画案で定める返済総額の最低額を画する基準として清算価値保障原則というものがあります。

清算価値保障原則というのは、簡単に言えば、再生債務者が有する財産以上の金額を返済しなければならない、という原則です。

例えば、再生債権額が500万円で再生債務者が有する財産が50万円の場合、小規模個人再生では、最低返済額は100万円となりますが、再生債務者が有する財産が150万円の場合は、最低返済額は150万円となります。

2 査定

⑴ 清算価値は金銭に換算して計算する必要があります。

そこで、不動産や自動車は査定が必要になります。

自動車の場合、自己破産手続では、破産管財人によって換価処分されるか、または破産財団から放棄される(または自由財産とされる)かどうかが重要です。

そこで、自動車以外に財産がなく、破産管財人も自動車の査定額が99万円未満であれば破産財団から放棄する(または自由財産拡張に同意する)という以降の場合、当該自動車が99万円未満であることがわかる資料があれば十分ということになります。

となりますと、自動車会社がウェブ上で提供している下取り、買取りシミュレーションを利用し、その下取りないし買取り価格が99万円未満であれば、そのプリントアウトを提出すればよいということになります。

実際、車の査定書を無料で、紙媒体で交付してくれる中古車販売業者等はほとんどありませんので、破産手続では、この下取り、買取りシミュレーションが便利なツールとなります。

⑵ しかし、個人再生で、かつ清算価値が最低弁済額になる見込みの事案では、自動車の査定についてもある程度正確に行う必要があります。

そこで、まずは中古車販売業者に問い合わせることになりますが、上述のとおり査定書を作成してくれることはほとんどなく、担当者の名刺に金額を書いてもらえる程度です。

これでも裁判所が許容する場合もあります。

ここで便利なのが、一般財団法人日本自動車査定協会による有料査定です。

有料ですが、不動産鑑定士による不動産鑑定のように数十万円もかかることはなく、出張費も含めて2~3万円程度です。

この日本自動車査定協会の査定書があれば、千葉地方裁判所では他の査定書は不要です(不動産で、不動産会社の査定書を提出する場合は、査定額の計算過程まで記載された査定書が2通必要です)。

詳しくは、担当弁護士にお問い合わせください。

個人再生での返済

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2021年7月20日

1 返済額の決定

個人再生手続では、確定した債権額から免除を受ける金額を控除した残額を分割で返済することになります。返済期間は原則3年間で、最長5年間まで延長できます。

免除を受ける金額は、確定した債権額に免除率を乗ずることで算出します。

例えば、再生債権者A社の確定債権額が200万円、免除率が8割の場合、免除を受ける金額は、200万円×0.8=160万円となります。

つまり、再生計画案の履行手続では、200万円から160万円を控除した40万円を分割で返済することになります。

2 返済回数

⑴ 任意整理で、3年間で返済する場合、毎月分割金を返済する内容で合意するのが通常ですので、返済回数は36回になります。

他方、個人再生手続では、3か月に1回返済するという内容で再生計画案を作成するのが通常ですので、3年間で返済する場合、返済回数は12回となります。

例えば、1の事例で、再生債権者Bの確定債権額が20万円の場合、再生計画で返済する金額は4万円となりますので(免除率8割で16万円免除されます)、これを36回で返済すると、1回の返済額は1120円となりますが(10円未満を切り上げて端数調整する場合)、12回で返済する場合は3340円となります(同じく10円未満を切り上げて端数調整する場合)。

振込手数料を220円(税込み)とすると、わずか1120円の返済のために220円の手数料をかけるのはもったいないですので、3か月分をまとめて返済するということになります。

⑵ 個人再生を利用する方のほとんどは会社員ですが、会社員ですと、給料は毎月支払われます。

しかし、個人再生で3か月に1回の返済となりますと、1か月分の給料から1回の返済額を捻出するのは難しいケースが多いですので、毎月の給料から返済に充てる分をしっかり取っておく必要があります。

つまり、家計・預金をしっかり管理することが重要になります。

家計・預金管理が苦手な方は、法律事務所が提供している送金代行を利用するとよいでしょう。送金代行を利用する場合、返済に充てる金額を毎月法律事務所の預り金口座に入金してもらいますので、間違って使ってしまうことも防ぐことができます。

3 返済方法

個人再生による返済方法は、再生計画案で定めることになりますが、通常は、再生債権者が指定する銀行口座への振り込みになります。

住宅ローン特則つき個人再生で必要な書類(不動産の査定書編)

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2021年6月7日

1 不動産がある場合

個人再生手続では、再生債務者が有する財産以上の金額を返済しなければならないというルールがあり、これを清算価値保障原則といいます。

そのため、一般的に価値が高く担保の設定もない不動産を有する方が個人再生手続を行うことはまれで、通常は、住宅ローンを有し自宅に抵当権が設定されている方が、住宅ローン特則を利用して自宅を残すために利用します。

2 清算価値保障原則と不動産

不動産について清算価値を算出するためには、不動産について査定をしてもらう必要があります。

ただ、不動産査定についての専門家は不動産鑑定士ですが、不動産鑑定士に鑑定を依頼すると通常は数十万円の費用がかかりますので、借金の返済が厳しくなったため個人再生手続を行おうと決意した債務者の方にとって、その費用を捻出することは困難です。

そこで、千葉地方裁判所では、民間の不動産会社2社の査定価格の平均値を当該不動産の価値としています。

3 不動産会社の査定書

不動産会社の査定書は、個人再生の申立人が不動産会社に依頼して取得する必要があります。

千葉地方裁判所では、査定書は2通あれば足りますが、査定価格(結論)しか記載されていないものや、そもそも査定価格が記載されていないもの(売り出し価格しか記載されていないもの)は受け付けてくれません。査定対象不動産の近隣の取引事例を基に、査定価格に至るまでの計算過程が記載されているものが必要になります。

また、不動産業者は営業のために査定書を作成してくれますので、査定金額が高めになることもあります。

そこで、少なくとも大手不動産業者3社に査定を依頼するとよいでしょう。

4 不動産の価値

例えばA社の査定価格が「1200万円~1250万円」、B社の査定価格が「11300万円から1350万円」の場合、A社の査定価格は中間値の1225万円、B社の査定価格は同じく中間値の1325万円となりますので、この不動産の価格は2社の平均値である1275万円となります。

そして、住宅ローンの残額が1000万円の場合は、この不動産の清算価値は275万円(1275万円-1000万円)となり、住宅ローンの残額が1300万円の場合はオーバーローンのため清算価値はゼロとなります。

清算価値保障原則の運用

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2021年3月18日

1 清算価値保障原則

⑴ 清算価値保障原則とは、個人再生の再生計画案策定において、最低弁済額を決める際の一つの基準となるものです。

具体的には、再生計画案で定める返済総額は、再生債務者の財産の総額以上でなければならない、という原則です。

その趣旨は、破産手続よりも再生債権者が不利益を受けないようにすることにあります。

例えば、破産手続であれば200万円が破産債権者への配当に充てられることが予測されるのに、個人再生手続での再生債権者への総返済額が100万円であれば、再生債権者は不利益を受けることになります。

⑵ この清算価値保障原則は、民事再生法の条文で具体的に規定されているわけではありません。

そのため、その具体的運用については統一されているわけではなく、裁判所によって異なります。

2 現金について

⑴ 破産手続では、99万円までの現金(預貯金は現金ではありません)は本来的自由財産とされており、裁判所の許可がなくても破産者が自由に使うことができます。

破産者が最低限の生活を維持できるようにすることがその趣旨です。

⑵ 個人再生手続では、破産手続と同様、99万円までの現金は清算価値に含まれないとする裁判所が大半だと思われますが、千葉地方裁判所の一部の支部では、一時期、現金も全額清算価値に計上することを求めていました。

清算価値保障原則はあくまで最低弁済額を決めるための基準の一つであり、再生手続では、再生債務者の最低限の生活を維持するという趣旨が当てはまらないためです。

しかし、千葉地方裁判所の本庁やその他の支部は、99万円までの現金は清算価値への計上を求めていませんでしたので、この支部もその後取り扱いを改め、99万円までの現金は清算価値に計上しなくてよいことになりました。

3 預金について

⑴ 千葉地方裁判所の破産手続では、20万円までの預貯金は換価を要しない財産とされ、自由財産拡張の裁判がなくても当然自由財産とする扱いになっています。

しかし、個人再生手続では、預貯金の合計が20万円以下であっても、清算価値への計上を求められます。

⑵ 他の地方裁判所では、預貯金についても一定の基準を超える場合に清算価値への計上を求められるところもあります。

最低弁済額が清算価値になる可能性のある案件では、申立て予定の裁判所の取り扱いを把握しておくことが重要になります。

個人再生と不動産の査定

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年6月16日

1 個人再生と不動産

自己破産手続と異なる個人再生手続きの特徴の一つは、手続内で債務者の方の財産が換価処分されることはない、ということです。

個人再生手続では、破産手続と異なり、再生債務者の財産が換価処分されることはありません。

もちろん、不動産に抵当権等の担保権が設定されている場合や、ローンで購入した自動車の所有権がローン会社等に留保されている場合は、住宅資金特別条項を利用する場合を除き、競売等の手続により売却されることになりますが、それは、個人再生手続とは関係なく行われるものです。

実務的には、不動産がある場合に個人再生手続きが利用されるのは、住宅ローンが残っている自宅を残すために住宅資金特別条項を利用するケースですので(自宅を手放す意思がある場合は、通常は自己破産を選択します。)、このケースを念頭に置いて、不動産の査定に関する千葉地方裁判所(支部を含む)の実務を前提にご説明します。

2 なぜ査定が必要か

個人再生手続きでは、民事再生法に明文があるわけではありませんが、清算価値保障原則という原則があります。

この原則は、貸金業者等の債権者が破産手続きよりも不利にならないようにすることを目的とするものです。

例えば、破産手続であれば破産債権者全体で200万円の配当を受けられるのに、個人再生手続きでは再生債権者全体で150万円の返済しか受けられないとなると、債権者の立場は破産手続よりも不利になってしまいます。

そのため、この原則により再生債務者の財産の総額を算出し、再生計画における最低弁済額を決定する際の一つの基準にしているのです。

ただ、財産の総額を算出する場合、財産を金銭的に評価する必要がありますので、不動産については査定が要求されるということになります。

3 不動産鑑定士の鑑定は不要

不動産の査定の専門家は不動産鑑定士ですが、不動産鑑定士に鑑定してもらうには通常数十万円の鑑定費用がかかります。

しかし、このような大金を再生債務者が準備することは困難なことが多いですので、千葉地方裁判所では、不動産業者の査定書を2通準備し、その査定額の平均を当該不動産の価値として清算価値に計上しています。

ただし、A4用紙1枚に対象不動産と査定金額だけが記載された査定書は受け付けてくれません。

査定するにあたって参考とした過去の取引事例等の情報がある程度記載されたもの、すなわち査定金額の計算過程が記載された査定書が必要になります。

4 不動産の価値

住宅ローンについて抵当権が設定されている不動産の価値は、査定金額から住宅ローン残額を控除した金額となりますが、この金額がマイナスとなるオーバーローンの場合は、不動産の価値はゼロということになります。

なお、不動産業者の査定は、査定の際に考慮した過去の取引事例の違い等により数百万円程度の差が出ることもありますので、査定額が住宅ローンの残額を上回ることが想定される場合は、3社以上の不動産業者に査定を依頼することが重要となります。

個人再生の返済期間

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年4月27日

1 個人再生の返済期間

個人再生は、法律に定められた基準に従い減額された債務を分割して返済し、完済すれば、残りの債務が免除されるという手続きです。

この分割返済の期間は、原則として3年とされています。

しかし、「特別の事情」があれば、最長5年まで延長することが可能です。

例えば、再生債権の総額が500万円の場合、清算価値が100万円以下であれば、小規模個人再生手続での最低弁済額は100万円となります。

これを3年で分割返済する場合、月々の負担額は約2万8000円となります。

他方、5年で分割返済する場合は月々約1万7000円となり、3年の場合と比べて1万円超負担が減ります。

月々の収入から返済に充てられる金額が7、8万円程度あれば、返済期間が3年でも5年でもあまり変わりません。

しかし、返済に充てられる金額が3万円程度の場合は、3年か5年かで生じる違いの程度は大きいといえます。

なぜなら、月々の支出については臨時の支出等も想定しなければならず、3年の返済では、返済に充てられる金額が3万円の場合、臨時の支出に充てられるのはわずか2000円になるからです。

返済に充てられる金額が3万円程度の場合に、100万円を3年で返済する内容の再生計画案を提出すれば、その再生計画案を履行できるかどうかについて、裁判所から疑問を呈される可能性があるでしょう。

そこで、このようなケースでは、3年では返済が厳しいということの根拠となる「特別の事情」の存在を裁判所に説明し、3年を超える期間での返済を裁判所に認めてもらう必要があります。

2 実務の傾向

「特別の事情」と言われると、かなり厳しい要件が要求されるようにも思われますが、千葉地方裁判所では、比較的緩い要件で3年を超える期間での返済を認めているようです。

例えば、再生計画で返済する総額が100万円、毎月の手取りの収入から必要な生活費を控除した金額が3万円の場合、3年での返済だとその金額のほとんどを返済に充てなければならず、臨時の支出が必要になった場合に返済が困難になりますので、3年を超える期間での再生計画案の作成が認められます。

また、個人再生は、住宅ローンを負担する債務者が住宅ローンの返済を継続しながら他の債務を整理できるという点に一つの大きなメリットがありますが、住宅ローンを抱えた債務者には専業主婦の妻と小さい子どもがいることも多く、その場合月々の収入から返済に充てられる金額も少ないですので、住宅ローン債務者が住宅資金特別条項を利用する個人再生手続では、再生計画での返済期間について、3年を超える期間を設定することが多い印象です。

なお、千葉地方裁判所では弁護士が代理人として個人再生の申立てを行う場合は原則として個人再生委員は選任されませんが選任された場合は、個人再生委員によっては、「特別の事情」を厳しく要求する場合もあるようです。

また逆に、3年での返済に固執する再生債務者に対し、個人再生委員が3年を超える期間にするよう説得する場合もあります。

個人再生とは

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年4月21日

1 個人再生の位置づけ

任意整理は、その対象とする貸金業者またはクレジットカード会社と個別に交渉し、負債を36回から60回程度の分割で返済する条件で合意することで、月々の返済負担の減額を達成するタイプの債務整理で、将来利息は0%としてもらえることが多いものの、元金の減額は困難です。

他方、自己破産は、免責を許可する決定が確定すれば、手続開始の際に存在したすべての負債について免除を受けられます(ただし、税金等の非免責債権は除きます)。

個人再生はその中間で、法律の条件に従い減額された債務を原則3年間、最長5年間で返済すれば、残りは免除されるという手続です(ただし、税金等の一般優先債権は減額の対象とはならず随時返済が必要で、また養育費等の非減免債権は債権者の同意がない限り減額されません)。

つまり、個人再生は、理念的には、安定的な収入があり月々の返済額を減額することができれば継続して返済ができるため自己破産までは必要ないが、任意整理では月々の負担額を返済可能な金額まで減額することが困難な場合に検討される手続きと言えます。

2 実務の実際

しかし、実務では、個人再生の件数は任意整理や自己破産と比べて極めて少なくなっています。これは、以下の理由によるものと思われます。

① 個人再生手続きでも所有権留保のある車は引き揚げられること

自動車ローンを利用して車を購入し、車の所有権が自動車ローン会社に留保されている場合、個人再生手続きを行うと、車は自動車ローン会社によって引き揚げられ、売却されることになります。

そのため、車を手許に残したい方は任意整理を選択することになります(自動車ローン会社を任意整理の対象から外せば、車を引き揚げられることはありません)。

また、車は手放しても構わないという方、または任意整理では返済が困難な方は、返済を継続しなければならない個人再生よりも、返済義務がなくなり早期の生活再建が可能な自己破産を選択することが多くなっています。

② 自己破産を選択するデメリットがなければ自己破産を選択する傾向があること

自己破産を行うと、所有する財産は原則として換価処分され、また一定の資格や職業について制限を受けることになります。

そこで、失いたくない財産(例えば所有権留保のない車など)がある場合や、自己破産手続で制限の対象となる職業に就いている場合は、個人再生を検討することになりますが(任意整理では難しい場合)、そうでなければ、①と同じように個人再生ではなく自己破産を選択する傾向があります。

以上のような傾向がありますので、個人再生手続きは、住宅資金特別条項を利用して住宅ローンの返済を継続することで自宅を残しつつ、その他の債務を整理したいという方(任意整理では難しいが個人再生を行えば返済できるという方)が主として利用しています。そのため、件数的に他の債務整理の手段より少なくなっています。

個人再生と税金

  • 文責:弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年4月18日

1 個人再生手続における税金

破産手続の場合、免責を許可する決定を受けても、滞納している税金等の公租公課は免除されないことは、皆さんもご存じかと思います。

免責を許可する決定を受けても免責されない債権のことを、非免責債権と言いますが、公租公課も非免責債権に該当します。

なお、公租は所得税、自動車重量税、住民税、固定資産税などの税金(国税および地方税)のことで、公課は税金以外で国または地方公共団体に納付する負担金(国民健康保険料や国民年金保険料など)です。

では、公租公課に滞納がある場合、個人再生手続ではどのように取り扱われるのでしょうか。

2 個人再生手続での扱い

個人再生手続では、住民税等の公租や国民健康保険料等の公課は「一般優先債権」とされています(民事再生法122条)。

この一般優先債権は、再生手続によらないで随時支払う必要があり、個人再生手続で減額されることはありません。

破産手続でさえ公租公課は減免されないのですから、個人再生手続で減額されないのも当然と言えます。

つまり、金融機関からの600万円の借り入れの他に100万円の滞納税金があったとしても、個人再生手続により借入金は5分の1である120万円を返済すればよいことになりますが(小規模個人再生で、清算価値が120万円以下の場合)、滞納税金は100万円全額納付しなければなりません。

3 履行可能性との関係

個人再生手続では、再生計画案を作成して裁判所の認可を受けなければなりません。

その際、裁判所は、再生債務者の収入で再生計画案どおりに返済できるかどうかを厳しく吟味することになります。

この、再生計画案どおりに返済できるかどうかということを、実務上、履行可能性と呼びます。

この履行可能性が無い場合は、再生計画は認可されません。

例えば、個人再生手続中に勤務先が倒産し失職した場合は、同程度の収入、地位の会社にすぐに再就職できたような場合を除き、通常は、再生計画案を提出しても、履行可能性がないとして認可されません(そもそも履行可能性が認められるような再生計画案を作成することができないため、実務上は、裁判所に上申して手続を廃止してもらうのが通常です)。

税金の滞納がある場合、この履行可能性の判断において、滞納税金の納付についても考慮されることになります。

例えば滞納額が多く、かつ分割での納付も行っていないような場合は、給料の差し押さえなどの滞納処分が行われる可能性があり、実際に滞納処分が行われると月々の手取りの収入が減ってしまいますので、履行可能性は否定されることが多くなるでしょう。

そのため、個人再生手続を行う場合は、申立ての前までに滞納を解消するか、少なくとも、課税等をする地方公共団体等と協議して分割払いの取り決めをしておく必要があります。

取り決めたものの、毎月の税金等の納付の負担が重く、個人再生を行っても返済の見込みが低い場合は、自己破産を検討することとなります。

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個人再生に関するご相談

個人再生による借金の圧縮

借金が返しきれないほどのものになってしまった場合、対処法の一つとして個人再生により借金を圧縮して長期間で返済するという方法があります。

どの程度金額や期間が変わるかというのはもともとの金額によって異なりますので、個人再生をするかどうかを含め、まずは弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

弁護士が見通しをご説明します

当法人にご相談いただきましたら、借金問題を得意とする弁護士が皆様の現在の状況やご希望などをお伺いし、それをもとに個人再生が適していると考えられるかどうかを含めて検討をさせていただきます。

そして、ご提案や今後の見通しに関するご説明などをさせていただきます。

皆様にご納得いただいたうえで個人再生等の手続きを進めてまいりますので、安心してご相談いただけます。

当法人へのご相談をお考えの方は、まずはお電話ください。

弁護士にご相談いただく日程を調整させていただきます。

個人再生やご相談等につきまして、何かご不明点がおありの場合にも、丁寧にご説明させていただきますので、お気軽にご連絡ください。

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