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「個人再生と住宅」に関するお役立ち情報

個人再生における住宅ローンが完済している家の扱い

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2020年8月5日
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1 完済した住宅ローンと個人再生

個人再生を利用した場合、住宅ローンで購入した住宅を残したまま債務整理ができるということはお聞きになったことがある方もいらっしゃるかと思います。

具体的には、住宅ローンとそれ以外の借り入れがある場合に、住宅ローンはそのまま返済を継続し、それ以外の借り入れについて返済総額を圧縮することで行う債務整理の手段で、この場合、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することとなります。

では、住宅ローンが完済している場合、つまり担保の設定されていない住宅を所有している方が、カードローンなどの負債を整理するために個人再生を利用する場合、住宅はどういう扱いになるのでしょうか。

2 個人再生では所有物の換価は基本的に行われません

破産手続では、例えば破産者が住宅や自動車を所有している場合、破産手続開始によりそれらの管理処分権は裁判所によって選任される破産管財人の手に移り、破産管財人はそれらの財産を売却等して金銭に換えて破産債権者に配当することとなります。

これは、住宅に抵当権が設定されている場合でも同様です。

しかし、個人再生では、個人再生委員が選任されることはありますが(必ず選任される裁判所もあれば、原則として選任されない裁判所もあります)、再生債務者の財産の換価を行うわけではありません

それでは、個人再生手続では再生債務者の住宅などの財産はどのように処理されるのでしょうか。

3 清算価値保障の原則

個人再生手続では、再生債務者の財産は「清算価値保障原則」として考慮されることとなります。

例えば、小規模個人再生では、債権額が100万円以上500万円未満の場合は、再生計画による最低弁済額は100万円が原則となりますが、再生債務者に財産として預貯金50万円、評価額200万円の自動車がある場合は、清算価値保障原則により最低弁済額は250万円になります(ただし、破産手続で認められる自由財産の限度額を最低弁済額から控除する扱いを採用している裁判所もあります)。

この清算価値保障原則は、個人再生手続一般に適用されます。

話を単純にするため、再生債務者の財産を自宅不動産のみとし、客観的な評価額を1000万円とすると、住宅ローンが残っている場合は、客観的な評価額から住宅ローン残額を控除した金額が清算価値保障原則で考慮される住宅の価値となります(オーバーローンの場合は住宅の価値はゼロになります)。

住宅ローンが残っていない場合は,1000万円がそのまま清算価値保障原則で考慮されることとなります。

とすると、住宅ローンを完済している場合、仮に再生債権の総額が800万円の場合は、最低返済額は再生債権全額となりますので、個人再生手続を利用するメリットはあまりないことになります。

他方、再生債権の総額が1500万円の場合は、最低返済額は1000万円に圧縮されますので(ただし、給与所得者等再生では1000万円を超える場合もあり得ます)、再生手続を利用するメリットが存在することとなります。

個人再生については、弁護士法人心までお気軽にご相談ください。

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