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「手続開始後の問題点」に関するお役立ち情報

個人再生手続において再生計画に従った返済が苦しくなったとき

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2020年7月6日

1 再生計画に従った返済ができない場合

個人再生手続では、通常、再生計画作成時における再生債務者の予想収入額、予想支出額を前提に再生計画を作成します。

ところが、例えば感染症の蔓延による経済活動の停滞で収入が減少したり、予定していなかった妊娠・出産により支出が増えたり収入が減少したことにより、再生計画をそのまま遂行することが困難になることがあります。

このように、再生計画に従った返済が苦しくなったときの対応方法について以下ご説明します。

2 再生計画の変更

⑴ 個人再生手続では、再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは、再生債務者が裁判所に申立てることにより、再生計画で定められた債務の期限を延長することができます。

再生債務者に帰責性がないことまでは求められていませんので、例えば再生債務者の意思による転職で収入が激減した場合にも期限の延長が認められる可能性があります。

なお、変更後の債務の最終期限は、再生計画で定められた債務の最終の期限から2年を超えない範囲で定める必要があります。

⑵ 再生計画で住宅資金特別条項を定めている場合、再生計画の変更により住宅資金特別条項の定めを変更することはできないと解されています。

3 ハードシップ免責

⑴ 再生債務者が病気で長期入院してしまった場合など、帰責事由なくして再生計画を遂行することが事実上不可能となり、かつ再生計画の変更も事実上不可能となった場合、一定の要件の下で、再生債権者の同意を要せずに残債務の免責を受けることができる制度が設けられています。

これをハードシップ免責といいます。

⑵ ハードシップ免責を受けるための要件は下記のとおりです。

① 再生債務者がその責めに帰することができない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となったこと

ここでいう責めに帰することができない事由とは、具体的には、病気による長期入院のほか、再生債務者がリストラで失業し、再就職するための努力を十分に行ったにもかかわらず年齢等により再就職ができない場合等が該当します。

② 再生計画により返済することとなった債務の4分の3以上の額の弁済を終えていること

例えば、再生計画により100万円を返済することと定められた場合、ハードシップ免責を受けるためには75万円以上の金額の弁済が完了していることが必要です。

③ 免責の決定をすることが債権者の一般の利益に反するものではないこと

これは清算価値保障原則に関する要件で、既になされた弁済額が、再生計画認可決定時における再生債務者の財産の清算価値を超えていることを意味します。

例えば再生計画認可決定時の清算価値が80万円であった場合,80万円以上を返済している必要があります。

④ 再生計画の変更をすることが極めて困難であること

再生計画の変更でも返済が困難な場合に限ってハードシップ免責を認めるという趣旨で設けられた要件です。

4 再度の個人再生の申立て

再生計画の遂行が困難になった場合、再度、個人再生を申立てることは可能です。

ただし,1回目の手続きが給与所得者等再生の場合、その再生計画の認可決定が確定した日から7年間は給与所得者等再生を利用することはできません(小規模個人再生は利用できます)。

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